映画「インランド・エンパイア」の魅力と楽しみ方〜後編〜

おはようございます。ミミです。

引き続き、

映画「インランド・エンパイア」を楽しもう!

自力じゃ無理!

前回の「インランド・エンパイア」の説明で(と言っても難解点を挙げただけですが)何となく分かったかと思いますが、この映画は一度観てすっきりするタイプのものではないです。

そして考えれば考えるほど、あのシーンの意味は?彼女は一体何者?あのセリフは?…というように湧き水のごとく疑問が溢れかえります。

いくら考えてもすっきりとした答えが出なくて、これは自力では無理!とGoogleで検索。

 

「インランド・エンパイア」の世界が広がった

出るわ出るわ、「インランド・エンパイア」を考察されている方たちのブログが。

私が初めて「インランド・エンパイア」をDVDで観たのは2009年。当時でも考察されているブログがいくつかありましたが、何やら内容が難しくてピンときませんでした。

でも今は当時よりも考察の内容が幅広く、充実している!

改めていくつかの考察ブログを読んでみましたが、これがすごくおもしろいんです。

私の疑問をあっさり解消してくれるものもあれば、うーんそうかな?と共感できない部分もあったり。

みなさんの考察ブログによってさらに「インランド・エンパイア」の世界が広がり、さらにおもしろいと思う映画になりました。

 

恐るべしリンチワールド

考察ブログをいろいろと読むうちに、いつの間にか私なりの「インランド・エンパイア」考察が出来き上がってきました。

最初はお手上げ状態だった私の脳が、みなさんの知識を吸収→その知識の中で自分好みのものを選りすぐる→私なりの考察が生み出される、というイメージ。

他の方の意見を拝借しつつ、自分なりの解釈ができてくると、また一度観たくなる。

もう一度観ると新たな疑問が出てきて、さらにまた観たくなる。

完全にリンチワールードループ。

 

難解だからこそ魅力

私はずっとこの映画は難解だと言っていますが、要はそこが魅力だと思うのです。

私はすでに10回ほど観ていますが(断片的ではありますが)観終わったあと、何度となく映画のシーンを回想しては「インランド・エンパイア」の謎について考えていました。

これほど執着してしまうのは「魅力」と言っていいのではないでしょうか。

 

デヴィッド・リンチというブランド

もう一つの魅力、それは鬼才デヴィッド・リンチ監督。

無名の監督がこの「インランド・エンパイア」を作ったとしたら、「よく分からない映画」で終わっていたんじゃないかと。

数々の話題作を生み出してきた彼の作品だからこそ、この難解な謎を解いてみたい、理解したい、と熱くなってしまう。

デヴィッド・リンチ監督がここまでファンの心理を読んでこの映画を作ったとしたら、もう完敗。ひれ伏します。

 

「インランド・エンパイア」を楽しもう!

「インランド・エンパイア」は観た人の想像をいろいろと掻き立てるエンターテインメント性の高い映画だと思います。

これほど観た人によって感想、考察がまったく違う映画はないのではないでしょうか。

それは映画が難解なうえに明確な答えが示されてないから。

答えは自分で見つけるも良し、考察ブログを巡るも良し。

あなたなりの見方で「インランド・エンパイア」を楽しみましょう!

 

追伸:

2018年1月27日からデヴィッド・リンチ氏のドキュメンタリー映画『デヴィッド・リンチ:アートライフ』が公開されています。

「新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷ほかにて全国順次公開」とのこと。名古屋にも来てくれるといいなあ。

 

 

最後に、私なりの考察

注)ネタバレ有り

「インランド・エンパイア」は「映画の中の映画の中の映画」だったのでは。

はあ?という感じですが…

ニッキー(ローラ・ダーン)は映画『暗い明日の空の上で』の主演役スーザンを演じます。撮影が進むうちにニッキーは次第にスーザン役に感情移入していきます。どちらが現実のなのか混乱していく中でも、映画『暗い明日の空の上で』を完成させます。

そして最後、抜け出せない世界に入りつつあった自分自身やロストガール、娼婦たちを解放します。

その後に映画序盤で出てきたシーンがまた出てきます。

ニッキーの家に訪問した老女が「もし今日が明日なら、あなたはあのイスに座っている」と前方の椅子を指さす。

序盤では映画の役が決まったニッキーが喜んでいる姿だったのですが、この終盤では穏やかに笑って座っている清楚な姿のニッキー。

この清楚で穏やかなニッキーはエンディングにも出てきます。

ここで疑問。

これは本当にニッキー?

今まで観てきたニッキーにもスーザンにも見えない。

これは、ニッキーまたはスーザンを演じたローラ・ダーンでは?

最後はローラ・ダーン自身として出ることで、これは「映画の中の映画の中の映画」だったことを示しているのでは?

エンディングはみんながやたら楽しく踊って終わるのですが、「映画を楽しんでくれ!」というリンチ氏のメッセージにも感じる。

…というのが私の考察です。

こういう見方もアリかなと。

 

思いの外、長くなりました。。

今日も良い1日を!